秋晴れの気持ちのいい日。
今日はどんぐりを探しに森の中へ。
それぞれが手をつなぎ、
おしゃべりしながら小さな橋を渡り、
森の中の階段をのぼったところで、
それは突然始まった。
年長男児の取っ組み合い。
一番背の高いHALと低いSUKが、がっつり組み合って、
うなり声をあげている。
二人とも顔を真っ赤にして、
相手の肩をもち、腕をもち、
どちらかが上になったかと思えば、
ひっくり返って下になり、
時には足がでたり、髪の毛引っ張ったり、
ねっこぼっこのケンカのルールは、素手でやる。
顔から上はやらない、1対1で、など。
いくつかルールはあるけど、
顔や髪の毛に手が出て、
園長あっちゃんの
「顔はだめだよ~」
という声がかかるんだけど、
ケンカの最中の二人には聞こえやしない。
二人が本気でぶつかりあってるその迫力に、
最初、近づきたがった子ども達も、
いつしか言葉少なく。
「ケンカの気持ちがおさまるまで、やらせてあげるんだよ」
「ケンカの気持ちがおさまるまで、そっとしてあげるんだよ」
あっちゃんの言葉が、
ケンカを見守るこどもたちにも、
私にもひびく。
どのくらいケンカしていただろうか。
背の高いHALが叫んだ。
「もうっっ、やめたぁぁーいっっっ!!」
叫びながらも組み合ったままの二人にあっちゃんが声をかける。
「どうするの?
やめるんだったら、やめたいほうが手を離すんだよ。
逃げるんだよ。」
「やめる。」とHAL。
「じゃあ、手を離そう。はい、もうやらないよ~やめやめ。」
やめたくても、
手を離したくても、
力を抜いた瞬間にやられることがわかっているHALはなかなか手が離せなかった。
あっちゃんの仲立ちがあって、
一本ずつ指を離していき、
そんなHALに仕返そうとするSUKをとめ、
終わった。
少し離れた場所で、
座り込んで立てないHALと
大の字になって全身で息をするSUK。
そんなSUKの近くに寄ろうとする年中OMTYに
「今は近くに行かないであげて」
とあっちゃん。
こういう時は声をかけなくてもいいんだよね。
自分の気持ちをおさめようとしている大事な時間なんだよね。
ケンカの後の二人の気持ちのおさめ方も、
これまた好対照。
先にやめたいと叫んだHALは、まだ気持ちがおさまらない様子。
ところどころ小さくSUKに言葉で八つ当たり。
SUKは、何を言われてもケロッとし相手にしない感じ。
そんな二人もお弁当を食べ終わった頃には、
また仲良く一緒に遊び始めた。
子どものけんかはすればするほど仲よくなれる、
コミュニケーションの一つ。
だからこそ思う。
本気でケンカができるって、
そんな相手がいるって、
すごくすごくラッキーなこと。
二学期、
秋の深まりとともに、子どもたちの仲も深まっていく。
これからまた年長さん、年中さん、年少さん、
それぞれがどんな風に変わっていくのかな。
楽しみ。
在園母、SHより
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