2015年10月20日火曜日

ケンカの気持ち


秋晴れの気持ちのいい日。
今日はどんぐりを探しに森の中へ。

それぞれが手をつなぎ、
おしゃべりしながら小さな橋を渡り、
森の中の階段をのぼったところで、














それは突然始まった。

年長男児の取っ組み合い。
一番背の高いHALと低いSUKが、がっつり組み合って、
うなり声をあげている。





















二人とも顔を真っ赤にして、
相手の肩をもち、腕をもち、
どちらかが上になったかと思えば、
ひっくり返って下になり、

時には足がでたり、髪の毛引っ張ったり、

ねっこぼっこのケンカのルールは、素手でやる。
顔から上はやらない、1対1で、など。
いくつかルールはあるけど、

顔や髪の毛に手が出て、

園長あっちゃんの
「顔はだめだよ~」
という声がかかるんだけど、

ケンカの最中の二人には聞こえやしない。

二人が本気でぶつかりあってるその迫力に、
最初、近づきたがった子ども達も、
いつしか言葉少なく。

「ケンカの気持ちがおさまるまで、やらせてあげるんだよ」
「ケンカの気持ちがおさまるまで、そっとしてあげるんだよ」

あっちゃんの言葉が、
ケンカを見守るこどもたちにも、
私にもひびく。

どのくらいケンカしていただろうか。

背の高いHALが叫んだ。

「もうっっ、やめたぁぁーいっっっ!!」

叫びながらも組み合ったままの二人にあっちゃんが声をかける。

「どうするの?
 やめるんだったら、やめたいほうが手を離すんだよ。
 逃げるんだよ。」

「やめる。」とHAL。

「じゃあ、手を離そう。はい、もうやらないよ~やめやめ。」

やめたくても、
手を離したくても、
力を抜いた瞬間にやられることがわかっているHALはなかなか手が離せなかった。

あっちゃんの仲立ちがあって、
一本ずつ指を離していき、
そんなHALに仕返そうとするSUKをとめ、


終わった。


少し離れた場所で、
座り込んで立てないHALと
大の字になって全身で息をするSUK。















そんなSUKの近くに寄ろうとする年中OMTYに

「今は近くに行かないであげて」

とあっちゃん。

こういう時は声をかけなくてもいいんだよね。
自分の気持ちをおさめようとしている大事な時間なんだよね。















ケンカの後の二人の気持ちのおさめ方も、
これまた好対照。

先にやめたいと叫んだHALは、まだ気持ちがおさまらない様子。
ところどころ小さくSUKに言葉で八つ当たり。

SUKは、何を言われてもケロッとし相手にしない感じ。

そんな二人もお弁当を食べ終わった頃には、
また仲良く一緒に遊び始めた。



子どものけんかはすればするほど仲よくなれる、
コミュニケーションの一つ。

だからこそ思う。
本気でケンカができるって、
そんな相手がいるって、
すごくすごくラッキーなこと。

二学期、
秋の深まりとともに、子どもたちの仲も深まっていく。
これからまた年長さん、年中さん、年少さん、
それぞれがどんな風に変わっていくのかな。

楽しみ。


在園母、SHより

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