2019年6月30日日曜日

気持ちに寄り添う

今日はちょっと長くなりますけど、子ども達との関わりで私が感じたことを 
綴ってみたいと思います。
 
この日の散歩は、みんなの大好きな小川のあるところまで、
池沿いを歩いていくコースでした。



集合場所でみんなが揃ってから、急な階段を下りたところで朝の会をしようと
何人かがシートに座り始めていました。


そのとき年長のRが、「これお母さんにあげたいから行ってくる!」と言って
なにやら木の実を手に、階段を上ろうとしました。
私はすかさず腕を掴んで(Rは速いので!)、待って待ってと止めてしまいました。


腕を掴まれるのも嫌い、
やろうとしてることを止められるのも嫌いなRは必死で抵抗。
大きな声で、自分がお母さんのところへ行かなければならない理由を叫んでいます。
落ち着かせたい私が、「待って、R、ちょっと待って」と言っても全然聞こえていない。


そもそも、Rが集合場所に戻ろうとしてるのをなぜ止めたかと言うと、
①急な階段をまた上りたくない
②Rが他の人のことを考えないで自分のしたいことをしようとしてるのを、「年長 
なんだからちょっと考えてほしい」という気持ちがあった
という、完全に私の都合と主観でのことでした。


私とRが一悶着していたのはほんの1、2分のことだったと思いますが
私の脳裏には、前夜の我が家でのできごとがフラッシュバックしていました。


我が家の末っ子(Rと同じ年長)は、ほぼ毎晩お風呂の前にグズグズ文句を言う 
時間があって
何事もなくスッとお風呂場に行ける日の方が少ない人です。
たいてい疲れている日がそうなんですが、いつも三女と入っているのに

一人で入りたいとか、今入りたくないとか、次女と入りたいとか、
かーか(私)と  入りたいとか、
ぐずる理由は毎回同じ。

本人の希望に沿うように、だけどこちらの都合も考慮しつつ、
夕飯を作りながら、「こうしたら?ああしたら?」といくつか提案するも、
たいていすべて却下。
そのうち面倒になって、三女に「もう先に入っちゃって」と私が言い、
末っ子が号泣というのがいつものパターン。

今までは、三女がお風呂場に行ったあと観念して泣きながら自分も入っていくか、
見かねた次女が「一緒に入ってあげる」と呆れた顔で言って解決するか、
が多かったのですが
最近は一人で入りに行くことも増えてきました
(そのときはお風呂場の戸を少し  開けておいて、
誰かが脱衣所にいるようにして、
ちょくちょく覗いたり話したりするようにしています)

夕飯が遅くなっても、私が一緒に入ってあげれば末っ子は泣かずに済む話なのに
いつもいつもそれができないのは、
やっぱり「面倒」という気持ちが私にあるからなのでしょう。
我が家の場合は、上に3人も面倒見のいいお姉ちゃん達がいるので
私が自分の都合や体調を優先して対応してしまっても、
なんとかなってしまっています。
「だけどこれって、丁寧さが足りないよなー」と、
今までもちょいちょい頭をかすめていた気持ちが
この日は特に強く、心に残ってしまいました。
(だけど結局お風呂には一緒に入ってあげられませんでしたが)

そんなできごとがあって、翌日のRの行動だったので、
いつも園児にはちょい厳しめの私が、
「ここは気持ちに寄り添って丁寧に」と思い直し、
希望通りに集合場所まで戻ることにしました。

だけど、やっぱりそこで私の心の狭さが首をもたげ、
「誰が何と言おうと僕は戻るよ」という態度のRに、
こんなことを言ってしまいました。

「Rが一人で大人の見えないところまで戻れないんだから
ちえが一緒に行かなきゃダメなんだよ。
ちえはお当番なんだからみんなのことも 
見なくちゃいけないの。
上に行きたいなら、そんな行きたい行きたいって言うんじゃなくて、
一緒に行ってくださいって言うんだよ。」

あー、恥ずかしい!
私がこういい聞かせてる間も、あーだこーだ叫んでいたRですが、
最後の部分だけはちゃんと聞こえたようで
すかさず、「いっしょにいってください!」とちょっと強めに嘆願。
「はい、分かりました」と言って他のお当番母さんに上に戻ることを伝え、
サーッと階段を上っていくRに遅れを取りながら、上の集合場所に戻りました。

思った通りお母さんはもういなくて、Rはせつなそうに駐車場を見つめています。
戻ってくる前に、「いなかったらそれでいい」と言っていたけれど
やっぱり諦めきれないようす。
駐車場まで行く勢いだったので、
「今からさらに急な坂を下りて川まで行かなきゃいけないのに、
駐車場まで行ったら体力持たないわよ」という気持ちの私は、
「たぶんもうすぐ通るから、ここで待っていよう」と引き止めて
(私の都合パート2)
お母さんがどこにいるか確認するのに、電話しようかどうかしばし思案。
そのうち別のお母さんが車で通って、
Rのお母さんがまだ駐車場にいることを教えてくれました。
そしてちょっと待っただけでお母さんの車が向かってくるのが見え、
Rは嬉しそうな声で、「お母さんにこれあげる!」とかなんとか叫びながら
運転席の窓から笑顔のお母さんに木の実を渡していました。

スッキリしたお顔のRは、そのあと私の手をつないできたり、
朝の会が終わったみんなと合流した後も、
「ちえと一緒に行こう」とつぶやいて横を歩いたり、
お弁当のとき、「ちえと一緒に食べる」と言って、隣りに来たりしていました。


甘え上手なRは、そうやってみんなにいつも甘えているのですが
この日は、そんなRの甘えが特に嬉しくて、かわいくて
希望通りにしてあげてよかったなと思いました。

もちろんいつもこんなふうにできるわけではなく、
危険なことも多い野外保育の現場で
数人の大人が十数人の子どもを見ているわけですから
安全を優先して、禁止せざるを得ないことも多々あります。

でも私の場合は、「めんどくさー」という理由で、「ちえ、それやらない」とか 
言っていることも多いので
もう少し、子ども達の気持ちを優先して寄り添ってあげられることがあるんじゃ 
ないかと反省する機会になりました。




(水を切るちょっとの間だけね♪
可愛くて思わずパシャリ♪)



母になって18年。
でもやっぱりまだまだ、足りないことだらけ。

まっすぐに気持ちをぶつけてくる子ども達に対して
ときには慣れで
ときには母としての反射神経で
ときにはあっちゃんの保育論を思って迷いながら私なりに向き合っていくときに、
そこには反省や学びや喜び、そして感動があります。

ねっこぼっこという保育の場で、園長のあっちゃんと
スタッフのえりちゃん、
そしてそれぞれ素敵な個性を持つお母さん達に助けられながら
4人の娘達だけでなく、母としての私も育ててもらっています。
 年長母 ちえ



0 件のコメント:

コメントを投稿